≪ 2017 07   - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 - -  2017 09 ≫
*admin*entry*file*plugin| 文字サイズ  
FC2 Blog Ranking FC2 Blog Ranking

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


森田芳光

映画監督、森田芳光さんが亡くなりました。

まだ61歳とお若かったのに、真に残念です。

最新作を完成されたばかりだったそうです。

公開前に逝かれるとは、さぞや無念でいらしたことでしょう。

森田監督といえば、『家族ゲーム』(1983年)を想い出さずにはいられません。

ポスター

本間洋平さんの第5回すばる文学賞受賞作『家族ゲーム』が原作です。

森田さんが脚本も書かれました。

主演は、今は亡き松田優作さん。

やはり亡くなった伊丹十三さん、由紀さおりさん、宮川一朗太さん、辻田順一さん、岡本かおりさん、阿木燿子さん、戸川純さん、白川和子さん、松金よね子さん、鶴田忍さんらが出演していました。

この作品で、宮川一朗太さんが、83年の日本アカデミー賞新人俳優賞を、森田さんが同じくブルーリボン賞監督賞を受賞しています。

当時33歳だった森田さんの脚本と演出は、観るものを腹の底から唸らせました。

音楽を全く使わず、上空を飛ぶヘリコプターの音などを暗示的に聞かせ、室内の場面では照明を極力落として、非常にシリアスなリアリティーを生みました。

カット

わけても、横一列に並んで一家が食事をする斬新なシーンが話題になり、その寓意性が高く評価されました。

他にも、父親(伊丹さん)が小さなバスタブに足を折り曲げながらつかって、紙パックの豆乳を音を立てながらストローで飲む場面、彼が妻(由紀さん)とだったと思いますが、狭いマイカーの中でひそひそと相談する場面などは、この家族が孕んでいる退廃と不条理を見事に浮かび上がらせていました。

また、弟(宮川さん)が家庭教師(松田さん)に殴られて倒れ、鼻血を出すところを床からの超ローアングルで、しかもガラスを隔てて撮っていたのには驚きました。

ヒッチコック作品のパロディーの集大成『新サイコ』でもメル・ブルックス監督がやっていましたが、森田さんの演出は凄まじく、ガラス板のところまで弟がものすごい勢いで飛んで来て血にまみれた顔をぶつけ、そのガラスが血に染まる、という過激さでした。

これもまた、こんな仮面家族は荒療治をしてでもぶち壊さなければならない、という森田さんのメッセージだったのだと思います。

dvd

さらに、俳優さんたちの個性をこれほど上手に活かした作品は滅多にないのではないでしょうか。

特に、あの松田優作さんを、低偏差値の大学で何年も留年し続けているさえない青年の役に当てるとは、なんというキャスティングでしょうか。

ハードボイルドや純文学作品で評価されてきた、稀有の才能を持つ松田さんであるからこそ、森田さんは、内に狂気にも似た暴力性と不可解さを秘めた人物を演じられる、と確信し、この役を依頼したのでしょう。

結果、松田さんはその期待に見事に応えたのです。

まだご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

森田芳光さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございました。
スポンサーサイト


この記事へコメントする















Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。