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キティ

大変によく知られた日本の昔話に、『浦島太郎』があります。

この物語によく似たものは、遠く『日本書紀』(720年成立)や『万葉集』(759年以降成立)にも載っていますから、原話はそうとう古くからあったと考えられています。

現在の話に落ち着いたのは、室町から江戸の頃だと言われています。

よくご存じでしょうが、物語を一応振り返ります。

ある海岸沿いに、浦島太郎という青年の漁師が住んでいました。

太郎は、沖に舟を浮かべて魚を釣る日々を送っていました。

ある日、太郎が浜辺を歩いていると、一匹のウミガメが子どもたちにいじめられていました。

太郎は、ウミガメを可哀想に思い、子どもたちにお小遣いをあげてカメを助け、海に放してやりました。

カメは何度もお礼を言いながら、海の中に消えて行きました。

数日後、いつものように太郎が舟を浮かべて釣りをしていると、カメがやってきて言いました。

「先日は助けてくださり、本当にありがとうございました。私の主人が、お招きをしてお礼をしたいと申しております。どうぞ私の背中にお乗りください。」

太郎が背中に乗ると、カメはどんどん海の中を潜って行きました。

着いた先は、海の底にそびえ立つ竜宮城でした。

そして、出迎えた主人は、乙姫という美しい女性でした。

乙姫は太郎が来てくれたことをたいそう喜び、どうぞ心行くまで寛いでいってくださいませ、と言いました。

それからというもの、歌と踊りとごちそうの毎日が続きました。

しかし、あまり長くいたもので、暫くすると太郎は家に帰りたくなってきました。

そこで、太郎は言いました。

「毎日とても楽しいが、私は家に帰りたくなった。もうお礼は充分受けた。どうか、私を帰しておくれ。」

それを聞くと、乙姫は言いました。

「あなたにはずっとここにいてほしかったけれど、お帰りになりたいのなら仕方ありません。ただ、一度帰ると二度と再びここに戻ってくることはできません。それでも良いですか?」

太郎は、それでも良いと答えました。

わかりました、と言うと、乙姫はひとつの箱を太郎に手渡しました。

そして、言いました。

「この玉手箱を差し上げます。どうぞお持ち帰りください。でも、お家に帰ってから、絶対に箱を開けてはなりません。いいですね。」

斯(か)くして、太郎は再びカメの背中に乗り、浜辺に帰って来ました。

カメと別れて歩いていると、太郎はおやっと思いました。

辺りの風景が、まるで知らない所のように変わっているのです。

道行く人も、みんな見覚えのない人たちばかりです。

太郎は自分の家があった場所へ行ってみました。

ところが、そこにはまるで別の家が建っていました。

仰天した太郎は、わけもわからないまま、思い切って玉手箱を開けました。

すると、どうでしょう。

箱の中から白い煙がもうもうと立ち上り、一瞬のうちに、太郎はおじいさんになってしまいました。

竜宮城にいたのは、ほんの暫くの間だと思っていましたが、実は何十年間もの歳月がたっていたのです。

年老いた姿と化した太郎は、呆然と立ち尽くすのでした。

浮世絵

この物語にも、日本全国にいろいろなパターンの話があります。

しかし、大筋は今お話ししたとおりです。

この話のテーマはいったい何なのでしょう。

先ず、太郎が竜宮城に行けたのは、カメを助けたからです。

つまり、善行をおこなったことへの見返りが竜宮城行きです。

しかし、竜宮城での乙姫によるもてなしは、カメを助けたという行為の何十倍何百倍にも相当する破格のものです。

さらに、古い時代のバージョンには、太郎が乙姫と会うなり即座に結婚した、とされているものが多くあります。

即ち、太郎が受けたもてなしは「酒池肉林」だったのです。

江戸以降、子どもに読ませ聞かせる物語としては不適切だということで、太郎と乙姫との男女関係的部分は削除されたのです。

ここのところが重要です。

要するに、太郎は働きもせず、ものすごく永い期間、お金持ちの女性に贅沢三昧(ぜいたくざんまい)で豪華な生活を貢がせていたことになるわけです。

だが、それに飽きた太郎は元の家に帰ると言い出します。

そこで、捨てられると思った乙姫は、それならそれでいいけれど二度と会わないわよ、と言い放ち、それを開けると太郎を破滅へと追い込む玉手箱を渡します。

このとき、帰ってから太郎が箱を開けるだろうということを、たぶん乙姫は見抜いていたのでしょう。

でなければ、箱を渡す意味がありません。

玉手箱は、彼女の復讐の道具だったのです。

あるバージョンでは、玉手箱を開けた太郎は即死します。

女性の怨念によって頓死(とんし)するのです。

cd

情欲に溺れると、人間は時を忘れる。

そこに一度(ひとたび)はまりこむと、容易には抜けられない。

女性の情念は真に恐ろしい。

『浦島太郎』からはそんなことを読み取ることができる、と思うのですが、如何でしょうか。





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Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

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