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黒飴

2015年9月1日(火)の全国紙に出ていたコラムです。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

少女は入学した高校で激しいいじめに遭う。

弁当や教科書が捨てられた。

ゴミ箱の中を必死に捜す時分を同級生が笑って見ている。

先生に相談しても取り合ってくれない。

学校の最寄り駅の待合室で睡眠薬を一気に飲んだ。

▲床に倒れた。

見ず知らずのおばちゃんが駆け寄り、頭を膝に乗せてなでられた。

救急車に運ばれる時、黒糖のあめを握らされた。

「いつもこの時間にここにおるねん。

しんどい時には甘いもんや、しんどなったらおばちゃんとこおいで。

あめちゃん、なあんぼでもあげるから。」

▲NPO法人再チャレンジ東京が募集した「全国いじめ・自殺撲滅作文コンクール」の最優秀作品。

最近出版された「いじめストップ読本」に収められている。

大阪市在住の女性(25)の体験だ。

▲退院して駅の待合室に行った。

「よう元気になったなあ」。

抱きしめられ、一緒に泣いてくれた。

勇気を振り絞って校長室のドアを開ける。

クラスで起きたことを打ち明けるためだ。

言葉に詰まり、涙が出そうになった。

ポケットにしのばせたあめちゃんを握りしめた。

不思議と気持ちが落ち着いた。

▲少女は大人になり、中高年向けのカルチャースクールで働いている。

「困った時はお互い様なんや」。

おばちゃんの言葉を思い出す。

「あの時の恩返しをしているつもり。

私も誰かの話を聞いて、誰かに寄り添う」。

いじめの事件が繰り返される。

そのたびに今の大人たちのことを考える。

▲元気になった少女がその後、いつもの時間に駅へ行っても、なぜか会えなかった。

彼女は思う。

あの人は天使だったのでは。

あめちゃんを持った天使。

日本中にいてくれたら。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

幼い頃いじめられた。

泣いて帰ると母がいた。

どこかに引っ越したいというと、母は洗濯の手を休めて言った。

「ひとりで遊ぶやり方を教えてあげる」。

母はトランプのひとりゲームをゆっくりと教えてくれた。

哀しみは消えなかったが、涙は止まった。

嬉しかった。
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Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

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