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地球ゴマ

2015年6月12日(金)の全国紙に出ていたコラムです。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

はやり廃りが世の常なのに、基本形を変えずに生き延びてきたのは、独創性が高かったことの何よりの証しだ。

惜しまれながら生産を終える「地球ゴマ」である。

▲誕生したのは94年前というから、大正デモクラシー期の平民宰相・原敬が東京駅で刺殺された年だ。

十字形の金属枠の中で円盤が回るスタイルは当時から維持されている。

地球が自転する「ジャイロ効果」を、分かりやすく説明できるのが名前の由来だ。

▲糸の上で綱渡りができる。

ペン先にも乗せられる。

縁日の露店で実演販売されていたのを思い出す方も多かろう。

白黒テレビの時代にコマーシャルで知名度を上げ、昭和を代表する科学玩具になった。

▲その精度は職人の技で保たれてきた。

手作業による100分の数ミリ単位の調整が必要なのに、担い手が工場長の巣山重雄さん(85)ら3人だけになってしまった。

今、名古屋市にある製造元の「タイガー商会」に電話をすると「お陰様で地球ゴマの販売はすべて終了しました。」とのメッセージが流れる。

▲姿を消すものへの愛着が深まるのも世の常だ。

廃業の決定は昨年末だが、その後に注文が増え、巣山さんらはなお製造に追われている。

7月10日には東京・浅草で「永遠(とわ)に回れ、地球ゴマ!」というイベントが開かれる。

▲三島由紀夫は「独楽(こま)」と題した短篇で「少年というものは独楽なのだ。(中略)大人とちがうところは、とにかく廻っているということである。」と書いている。

回転力が次第に衰え、やがて運動を止めてしまう姿は人の一生に似ていなくもない。

地球ゴマに人がひかれるのは、精密な構造の中にも無常があるからだろう。

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子供の頃、とにかく値段が高かったので、「地球ゴマ」を親に買ってもらうことは出来ませんでした。

デパートで一度手にしたことがあるだけです。

曲芸をする金属製の独楽。

不思議でした。

なくなってしまうとは名残惜しいです。

しかし、少年を独楽に喩えるとは如何にも三島らしいですが、その独楽の中に無常を見る筆者も秀逸です。

世は正にこれ、常に回っているのです。
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Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

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