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猫股カラー

「『奥山に、猫またといふものありて、人を食らふなり。』と、人の言ひけるに・・・・。」

中学、高校の授業でおなじみの『徒然草』第89段冒頭だ。

「猫また」とは、尾の先が二股に割れた巨大な雄の化け猫で、山猫や飼い猫が年老いて後、人間を食うようになったものをいう。

中国の人々も古くから、「猫鬼(びょうき)」と呼んで猫の妖怪を恐れていたらしいが、日本の化け猫伝説を記した書物は、実は『徒然草』だけではない。

大変に多くの古典作品が、猫の怪異を綴っているのだ。

いずれも鎌倉時代以降のもので、鴨長明(かものちょうめい)の『四季物語』、藤原定家(ふじわらのさだいえ)の『明月記(めいげつき)』、『古今著聞集』、江戸時代に入るとさらに増えて、『本朝食鑑』、『和漢三才図絵』、『醍醐随筆』、『新著聞集』、『大和怪異記』、『和訓栞(わくんのしおり)』・・・・と、枚挙に暇のないほどの作品に猫股が登場する。

あの滝沢馬琴も、『南総里見八犬伝』の中に擬人化された怪猫を出現させているし、『今昔妖談集』という読み物に至っては、天下の将軍・徳川吉宗が化け猫に遭遇したという話を載せている。

また、件(くだん)の怪物の特徴だが、体長はだいたい1.5メートルから3メートル、人を食い、後足で立って踊り、言葉を話して死人を操るばかりか、果ては殺した人間に化けて市中を横行するという凄まじさ。

正に、恐怖の総目録といった存在になっている。

しかし、なぜこうも猫ばかりが化け物扱いされるのだろうか。

どうして犬は妖怪にならないのか。

答えは簡単。

猫の習性だ。

獲物を待ち伏せして暗闇に潜み、秘めた牙と爪も露(あらわ)に、一瞬の凶行で無抵抗な小動物の喉元をかっさばく。

光によって変じる瞳の色、静電気の火花を発する体毛、音立てぬ足裏。

陽気に吠えながら群れ動く犬と比べると、猫というものは紛れもなく陰性の獣なのかもしれない。

猫にとっては、甚だ迷惑な話ではある。
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Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

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