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教室

次の日、定期試験明けの授業をするために、男性教師はその生徒の教室に行きました。

このクラスは昨日試験が終わったばかりでまだ採点ができておらず、答案を返せないので、教科書を使って新しい単元に入るべく淡々と授業を始めました。

しかし、授業を進めていくうちにおかしなことに気が付きました。

例の生徒がまったく顔を上げないのです。

教師が正面を向いてしゃべっている間は、ずうっと下を向いています。

こちらが黒板に向かって数式などを書いているときは、顔を上げてそれをノートに書き写しているようですが、対面するともう下を向いています。

そのような姿勢を長くとり続けるのはずいぶんと疲れることでしょうが、それでもとにかく生徒は下を向き続けています。

「無視、シカト、ってことか。」

教師は授業をしながら、心の中で肩を落としました。

担任や他の教科担当者に聞いてみると、自分の授業以外ではふだんと変わりなく過ごしていると言います。

「復讐(ふくしゅう)のつもりだな。それにしても、なんて子どもっぽい・・・。」

教師はその日、一連の仕事を寒々とした気持ちでこなしました。

でも、プロの教師としては没収したモデルガンを返しながら指導をしなければ、と考え、その生徒の担任に、放課後の掃除が終わったら自分のところに来させてほしい、と頼みました。

「もう来るかな。そろそろ戻るか。うちの掃除も終わったし。」

自分のクラスの教室で掃除が終了したのを見届けて、職員室に帰ろうと教室内で一歩を踏み出した、そのときでした。

教師の背中に、突然、声が浴びせられました。

「バーカ。」

驚いて教室の後ろの戸口を見ると最早人影はなく、誰かが走り去る足音が遠ざかって行くのみでした。

「隣のクラスのあいつですよ。宇宙が好きな。」

そばにいた生徒がそう言って教えてくれましたが、声の感じからわかっていました。

教師は、胸底に冬のような風が吹き抜ける思いを抑えながら、職員室で5時まで待ちました。

が、生徒は現れませんでした。

「来るわけないか・・・。よし。明日こそ、だ。」

今日のところはやられっぱなしだったが、明日はきっちり指導してやるぞ。

じゃあ、帰るか。

教師は重い足取りで職員玄関まで来ました。

そして、ゆっくりと自分の靴箱を開けました。

「・・・ん? おかしいな。」

靴がありません。

教師は外に出て、あちこちを見回してみました。

そして、愕然としました。

玄関から10メートルほど離れたコンクリートの床の上に、自分の靴が蹴散らかされたように転がっていたのです。

投げられた靴

                                      つづく

(写真の一部はヤフージャパンさんから拝借させていただきました。)


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Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

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