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泉鏡花往時
泉鏡花(いずみ・きょうか)。

本名、鏡太郎。

1873〜1939。

金沢市出身。

北陸英和学校中退。

尾崎紅葉に師事し、19歳で文壇にデビュー。

妖艶な美の追求を旨とし、『婦系図(おんなけいず)』『夜叉ケ池(やしゃがいけ)』などの小説、戯曲を遺した。

幻想小説の巨匠と呼ばれる。


泉鏡花晩年

誰にでも苦手なものはある。

師の紅葉が蛇蝎(だかつ)のごとくに禁忌(きんき)したのは「豆腐と言文一致」であったが、鏡花は全く次元の異なるところでもっと多くのものどもを、あたかも童児のように恐怖した。

先ずは、「雷」である。

雷

街中でも寺社の前を通りかかると眼鏡を外して手を合わせるほど神仏を深く信仰していた鏡花にとって、天空の平和を破る雷鳴と電光は、正に鬼神の為(な)せる業(わざ)であった。

一天俄(いってんにわか)に掻(か)き曇るや、たちまち腹痛に襲われ、一番手の稲妻が大気を真っ二つに裂く頃には一目散に走り出し、雷神の大太鼓が初めて大地を揺るがしたときには既に蚊帳(かや)の中、という塩梅(あんばい)。

泉家では季節を問わず蚊帳を吊り、他家訪問に際して、鏡花は、先方に蚊帳の備えが有るか無いかを必ず確認した。

次は「犬」である。

犬

大の散歩好きであった鏡花は、突如現れては快愉の時を打ち砕くこの仇敵(きゅうてき)を殲滅(せんめつ)すべく、、あらゆる索を講じた。

即ち、洋杖(ステッキ)を携(たずさ)えて歩く。

が、却って犬の注意を引いて藪蛇(やぶへび)になることを恐れ、断念。

万が一の事態に立ち至った場合を想定し、その際の身代わりとして下女を連れ歩く。

しかし、斯(か)かる発想は人道上許されぬものと猛省して、撤回。

では女房を伴って街路に出ようと決断し、早速実行に移すが、夫婦揃っての往来闊歩(おうらいかっぽ)を不粋(ぶすい)とする当時の常識に勝てず、数回で没。

とうとう最後には、頑健な俥屋(くるまや)を散歩専用に雇おうか、と真剣に考えたというが、本当にそうしたかどうかはわからない。

食中毒もまた然(しか)り。

伊勢海老

殊(こと)に、海老(えび)は溺死者の体を餌(え)とする物だと言って死んでも口にせず、旅先の宿駅で出された料理は悉(ことごと)く自室で煮直した。

駅弁などはもってのほか、移動中の汽車内にアルコール洋燈(ランプ)を持ち込み、饂飩(うどん)を茹でて啜(すす)った、というのは有名な話である。

泉鏡花楽屋

蓋(けだ)し「異常なる神経の持ち主」であった。
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Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

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