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カインとアベル

毎日新聞のコラム『余録』(2012年6月15日)をご紹介します。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

旧約聖書の世界での人類最初のうそは、アダムとイブの子であるカインが神に弟アベルの行方を聞かれた時に返答だ。

「知りません。私は弟の番人でしょうか」。

この時すでにカインは嫉妬による怒りでアベルを野に連れ出して殺していたのだ。

▲人類最初の殺人は最初のうそに先立つ兄弟殺しだった。

むろん神にうそは通じず、カインは追放される。

この「事件」があったのは、今のシリアのダマスカス西郊のカシオン山といわれる。

市街を一望できる景勝地である。

▲聖書の時代からどれほど時が流れたのか、だが人類はなお兄弟殺しの呪いを解かれていないらしい。

カインとアベル2

アサド政権と反体制派の戦闘が激化するシリア情勢について先ごろ国連事務次長は「内戦状態」との認識を示した。

政権に近い民兵組織の住民虐殺も頻発する現地だ。

▲シリアではつい2カ月前にアナン前国連事務総長の調停による停戦が発効した。

だが政権による弾圧や民兵の暗躍と、反体制派の統制を欠いた反撃による戦闘の激化で非武装の停戦監視団の活動は困難を極めている。

「内戦」発言は事実上の停戦の崩壊を示すものだ。

▲どんな戦争も悲惨だ。

だがわけても同じ国民が日々暮らす場で憎悪をぶつけ合う内戦が歯止めなき流血に陥りやすいのは、カインこのかた人類の悲しい性(さが)である。

シリア

なのに一致して住民を守るべき国際社会は米欧とアサド政権を擁護する露中が論争を繰り返すばかりだ。

▲住民虐殺もテロリストの仕業だと弁明するアサド政権の「知りません」にはもううんざりである。

もちろん独裁政権に肩入れしながら「自分は番人ではない」という大国のエゴに対しても、だ。

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『聖書』というものは実に優れた書物です。

あの時代において、既に人間の本性を楽々と見抜いているのです。

これはギリシャ悲劇などにも言えることで、総じて古典というのはそういうものなのでしょう。

だから、古典は永々と命をつないでいくのです。

しかし、『カインとアベル』の物語の舞台がシリアだとは知りませんでした。

なんという皮肉でしょうか。

リビアのカダフィやエジプトのムバラクのようにだけはなりたくないので、アサド政権もなりふり構わず必死なのでしょうが、性別年齢に関係なく無差別に行われている住民虐殺には、身も凍る思いです。

一刻も早い停戦を願っています。
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毎日新聞のコラム『余録』(2012年6月15日)をご紹介します。☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆旧約聖書の世界での人類最初... ...

Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

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