fc2ブログ
≪ 2010 04   - - - - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 - - - - -  2010 06 ≫
*admin*entry*file*plugin| 文字サイズ  
FC2 Blog Ranking
FC2 Blog Ranking
FC2 Blog Ranking



今日も疲れたなぁ。

あいつ、もう寝てるか?

「あれ? まだ起きてんの?」

「・・・ああ。」

「なに? 仕事かよ。」

キーボード

「終わんなかったんだよ。残業できないからさ。」

「大変だな。」

「研修のレポート。明日まで。・・・ファァァ~。」

勇、眠そう。

「なんか、食うか?」

「え? うーん。そうだな。」

「売れ残り、もらってきた。」

「お。チョリソ・ドッグ? いいじゃん。オレ、好きなんだよ。」

ドッグ

「そう思ってさ。4つも取ってきた。ほら、いろんなソースも。」

「マジで? うれしー。よーし。真夜中の活力源。」

「オレ、ビール飲むけど。いる?」

「うーん。おおかた書いたから、飲んでもだいじょぶだろ。」

「よーし。・・・・・・はい。じゃ、カンパーイ。」

「おー。・・・うまぁーい。」

ビール

「・・・んー。仕事の後のビール、最高。はぁ~。じゃ、これ。」

「お。ありがと。うまそー。・・・うん。うまい。ちょうどいいピリカラ。」

「シカゴ・カフェ自慢の逸品だからな。」

ルームパートナーの矢崎勇作は、能力が高いうえに大変なマジメ人間、しかもユーモアのセンスもある。

将来、出世まちがいない。

そう思わせる男だ。

幸は、自分もこんなふうになりたいのかも、と思うこともあった。

しかし、いや、そうじゃないのかも、とも思った。

「今日さ、オレが着替えてたらさ、変なジイサンがいきなり入ってきて、服、脱いでんだよ。」

「え? なにそれ。エレベーターんとこで?」

「そう。で、その人、お掃除おじさんだったんだけど、今まで休んでたんだって。入院して。」

「ふうーん。病弱なのかね。いくつくらいなんだよ。」

「70ぐらいかなぁ。」

「じゃあ、年金、出てるだろ。なんで働かなきゃなんないんだろな。年金の額、少ないのかな。あ、奥さんも病気とか?」

「知らねーよ。今日会ったばっかりなんだから。」

「あ、そっか。」

「だけどさ、なんか、変なこと、言うんだよな。」

「なに? そのジイサンが?」

「うん。」

「どんなこと?」

「佐藤さんたちとうまくいってるか、とか。」

「佐藤さんって、障害がある人だっけ?」

「ああ。言ってる意味がよくわかんねーんだよなぁ。いまひとつ。」

オレ、うまくやってるつもりだけどなぁ。

それとも、オレ、無意識のうちに、あの人たちの気に障るようなこと、しちゃってんのかなぁ。

オレ、小学校,中学校と、特殊学級がなかったし、高校でも大学でも障害を持つ人間は周りにいなかった。

だから、付き合いかたが要領を得てないんだよなぁ、きっと。

「だけどさ、ケンカなんかしたことないんだろ? その、佐藤さんたちとさ。」

「うん。」

「じゃあ、問題ないんじゃないの? そのジイサンの取り越し苦労じゃない? 年寄りの冷や水だよ。え? そう言わないか、そういうの。ははは。」

ま、そうならいいんだけどさぁ。

                                     つづく












スポンサーサイト



Mr.NAO

Author:Mr.NAO
東京都港区出身 
男性 
水瓶座

QRコード